日日のきれはし。

カテゴリ:ときどきの本。( 18 )




かばんの中にあった本は。

今朝、通勤電車の中で、図書館で借りてしばらくかばんの中にいれっぱなしだった本をやっと取り出して読み始めてみた。

35歳くらいの女性が夜の公園を歩いている。
マウンテンバイクに乗った青年が彼女を追い越していく。
後日スーパーでその青年と偶然に出会い、
そのまま手をつないで彼の部屋に行きセックスをする。
ちなみに彼女には夫がいるが、あんまりコミュニケーションがとれていない感じ。
また彼女には女友だちがいて、夫はその女友だちとつきあっている。
さらにその女友だちはマウンテンバイクの青年の兄ともつきあっている。

・・・という、どろどろ〜な人間関係がさらさら〜と展開されていくのであった。
目が点になり、途中でもう読むのを止めようかと思ったが、他に読むものもなく仕方なく読み進め、帰りの電車で読了。
読みながら、登場人物たちがどうなるというのはどうでもよく、
(みんな勝手やなあ〜、まあどうでも好きにせえや〜 てな感じ)
ただ、
「毎年紅梅が先に咲いて白梅がそれより遅れて咲く」とか、
「きれいな水がぱんぱんにつまっている革袋であるように」とか、
「さやえんどうが湯の中でまみどりの色を濃くしていく」とか、
そういう文章の、言葉のなかにたちのぼる感覚がすばらしい、と思うのであった。

ちなみに本は川上弘美の『夜の公園』(中央公論新社)。
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by kuukazoo | 2007-07-04 19:37 | ときどきの本。

5月の本。

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ますます夜起きていられない今日この頃のわたくしであります。しかも目下活字中毒状態なので読みながらいつの間にか寝ていたりして、気がつくと5月も終わりに近づいているではないですか。
寝不足のせいか本の読みすぎのせいか、5月のひかりがまぶしくてなりません。息継ぎのへたな泳ぎ手のようにあっぷあっぷしながら歩いています。

昨日はいっぱい本を買ってしまいました。
その日発売の『暁星記』7巻だけ買うつもりだったのに、最初に入った本屋にはなくて、でも諸星大二郎の『私家版魚類図譜』があったので買い(だって家の本棚には『私家版鳥類図譜』もいる)、次に入った本屋で棚に1冊だけ差してあった『暁星記』7巻を発見。このマンガはもう連載はされてなくて単行本書き下ろしでしぶとく続いており、この巻で完結予定だったんだけど、帯には「クライマックスが到底収まりきらず続刊が決定!」とか。笑う。
その後、復刊が待たれていた『最後から2番目の真実』(フィリップ・K・ディック)がすでに積んであったのでそれも買い、愛しの堀江敏幸さんの最新刊『バン・マリーへの手紙』も勿論買い、危うく歯止めが利かなくなりそうになったが、なんとかそれ以上は思いとどまり、帰る。

欲望のおもむくままに買っているともう本が増えて増えてかなわないので、なるべく図書館を利用するようにしているけど、やっぱりそういう訳にはいかない本は迷うことなく、買う。

そんなこんなで日曜に図書館で借りてきた本を読む合間に昨日買った『暁星記』と『魚類図譜』を読み、堀江さんの新刊を愛でる。もぉ触るだけでしあわせ(笑)なのです。
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by kuukazoo | 2007-05-24 18:43 | ときどきの本。

ディック漬け。

まだ予断はゆるさないものの、事態はやや好転しつつある。
関係者の緊張も多少ゆるんだ。
このままよい方向に向かってくれればよいのだが。

そういうわけで、なぜか今フィリップ・K・ディック(1928−82)漬けです。
作中人物の名前が外国人名(当たり前か)ってだけで読む気が失せることが多々あるのですが、とりあえず今は読む気まんまんです。
しかし、あまり明るい世界ではありません。
なぜ読む気まんまんなのかはわからないけど、今の気分に合っているのでしょう。
今がどういう気分なのかもあんまりわかってないのですが。

せっかく堀江敏幸さんの新刊を買ったのに、こんな状態ではとても読めません。
かなしいのでときどき触るだけにしてます。すりすり。
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by kuukazoo | 2007-05-11 03:11 | ときどきの本。

助走。

読みたくて買った本のはずなのに、いざ読みはじめると今の自分と微妙に波長が合わなくて、無理して読んでもなかなか進まなくて、途中で読むのをやめてしまう。で、しばらくたってからまた読み始め、少しは先に進むけれども、やっぱり持続しなくて途中で中断。
って、その本とはいしいしんじの『プラネタリウムのふたご』(講談社文庫)のことなんですが・・・以前読んだ『ぶらんこ乗り』は面白かったのにな。何故だろう。どうも合わない感じがする。仕方がないので、山田風太郎の『人間臨終図鑑』第1巻(徳間書店)をまた読む。この本は何度も読み返している。正直あまり気持ちのよくなる本ではない。読んでいるうちにちょっと気分が悪くなってしまった。でも、この本に関してはきっとそのうちまた読み返すと確信している。
というわけで、明日の通勤のお供は図書館で借りてきた江國香織の『とるにたらないものもの』の予定。とりあえずさらっと読めそうな本で読書に勢いをつけるつもり・・・まあ、『プラネタリウムのふたご』もいつか読める日が来るだろう、ってことで寝かせておく。
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by kuukazoo | 2007-03-26 02:46 | ときどきの本。

ことし読んだ本を記録する。

mixiの「きょう読んだ本を記録する」という、その日読み終えた本の題名、著者、出版社だけをたんたんと記録していくだけのコミュニティが結構気に入っています。
事実の集積、ただそれだけ。
それでも面白いし、それだから面白いとも言える。

なので、ことし読んだ本を記録しておこうと思います。

1月/『此処彼処』川上弘美 日本経済新聞社
   『あるいは酒でいっぱいの海』筒井康隆 集英社文庫
   『アフリカの爆弾』『幻想の未来』筒井康隆 角川文庫
   『もののはずみ』堀江敏幸 角川書店
   『もののたはむれ』松浦寿輝 文春文庫
   『考える胃袋』石毛直道&森枝卓士 集英社新書
   『日々ごはん』1 高山なおみ アノニマ・スタジオ
   『沈黙博物館』小川洋子 ちくま文庫
   『この人の閾』保坂和志 新潮文庫
   『みっつのねがいごと』マーゴット・ツェマック 岩波書店
2月/『健全な肉体に狂気は宿る』内田樹&春日武彦 角川oneテーマ21
   『もやしもん』1、2 石川雅之 講談社
   『詩が生まれるとき』辻井喬 講談社現代新書
   『白痴』坂口安吾 新潮文庫
   『リトル・フォレスト』1・2 五十嵐大介 講談社
   『はなしっぱなし』上・下 五十嵐大介 河出書房新社
3月/『病院坂の首縊りの家』上・下 横溝正史 角川文庫
   『下流社会』三浦展 光文社新書
   『ゼロ時間へ』アガサ・クリスティ ハヤカワミステリ文庫
4月/『闇の奥』ジョセフ・コンラッド 岩波文庫
   『夜中の薔薇』向田邦子 講談社文庫
   『模倣の殺意』中町信 創元推理文庫
   『悪魔が来たりて笛を吹く』横溝正史 角川文庫
5月/『言霊』神林長平 ハヤカワ文庫
   『もやしもん』3 石川雅之 講談社
6月/『太陽の塔』森見登美彦 新潮文庫
   『どろんここぶた』アーノルド・ローベル 文化出版局
8月/『アンネ・フランクの記憶』小川洋子 角川文庫
   『日々ごはん』2・3 高山なおみ アノニマ・スタジオ
9月/『ぶらんこ乗り』いしいしんじ 新潮文庫
   『グロテスク』上・下 桐野夏生 文春文庫
   『31歳ガン漂流』奥山貴宏 ポプラ社
   『光車よ、まわれ!』天沢退二郎 ブッキング
   『ゲド戦記 影との戦い』アーシュラ・K・ル・グイン 岩波書店
   『整体入門』野口晴哉 ちくま文庫
   『ゲド戦記 こわれた腕環』アーシュラ・K・ル・グイン 岩波書店
10月/『ゲド戦記 さいはての島へ』アーシュラ・K・ル・グイン 岩波書店
    『高山なおみの料理』高山なおみ メディアファクトリー
    『家守綺譚』梨木香歩 新潮文庫
    『鍋の中』村田喜代子 文春文庫
    『暁星記』5、6 菅原雅雪 講談社
    『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン 岩波書店
    『ぼくはおこった』ハーウィン・オラム きたむらさとし 評論社
11月/『リトル・トリー』フォレスト・カーター めるくまーる
    『忍者にんにく丸』川端誠 BL出版
    『八の八の小天狗』飯野和好 ほるぷ出版
12月/『のだめカンタービレ』1〜12 二ノ宮知子 講談社
    『もやしもん』4 石川雅之 講談社
    『まいごになったおにんぎょう』A&E・アーディゾーニ 岩波書店
    『絵くんとことばくん』天野祐吉&大槻あかね 福音館書店
    『おぼえていろよおおきな木』佐野洋子 講談社
    『そこでゆっくりと死んでいきたい気持ちをそそる場所』松浦寿輝 新潮社

    
   
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by kuukazoo | 2006-12-28 23:28 | ときどきの本。

それなりに成長。

来年1月に出演するダンス作品『花咲く旅路 冬のじかん』(三枝はな振付・演出)には、ぢつは課題図書というものがあったりする。
それは、フォレスト・カーター著『リトル・トリー』(めるくまーる)。
日本での初版は1991年(原著は1976年)。
ちょうどわたしがまだ書店で働いていた頃だったから覚えているが、すっごく売れてた本だった。
でも、その当時は読もうとも思わなかった。
あまのじゃくな性格なので、ブームになんて共感したくなかったのだ。
食わず嫌い。
で、15年以上を経て、今回初めて読んでみた。
泣きました。
今まで読まなくてすみません。
というか、今だから感動できたのかもしれない。
たぶん10年前だったら説教臭いと感じたかもしれないが、今なら素直に受け止めることができる。書かれていることが、からだで、感覚でわかるから、すとんと入ってくる。
年とったからかなあ。
他人の言うこともある程度素直に聞けるようになったってことか?
それなりに成長したらしい。
来年早々”大台”だってのにね。今頃になってわかることもたくさんある。
いままでなにをしてたんでしょう。
ちょっと情けなかったりもする。
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by kuukazoo | 2006-12-15 02:07 | ときどきの本。

てのひらを。

水曜日

家の中を蚊が飛んでいる。
1匹殺したと思ったらまた飛んでいる。
それを殺したと思ったらまた・・・
結局4匹叩き殺した。
何でこんなに飛んでいるのだ。どこから入ってくるのだ。
大殺生。

 草色の蚊をつぶしたるてのひらに顔埋めて君も透きゆくばかり /平井 弘

昔からむしごろしの血がさわぐといえばこの歌なのですが、思い出せなくて、ひさびさに国文社の現代歌人文庫「平井弘歌集」を引っ張りだしてきました。
歌集を捲るのもほんとに久しぶりだ。付箋がいっぱいついてる。

 もう少しも匂わなくなりわれの夏の一部となりし蝉が掌にある
 手に何もなく不安ゆえ土を掘るてのひらをいつも汚していたく

ぢっと手をみる。
平井弘の歌は草や土の匂いがして、それにつながる稚い日々というか己の無力さを認めたくないけど何をしたらいいかわからん不安とか焦燥のようなものが感じられ、惹かれる。

『ゲド戦記』3巻<さいはての島へ>を読み終わる。
さすがにこの世界に少々食傷してきたので、4巻はちょっとおいといて梨木香歩『家守綺譚』(新潮文庫)を読み始める。
この人の本は初めて読むけど、おもしろい。
庭つき池つき一軒家。繁茂する植物。妖のたぐい多々出没。
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by kuukazoo | 2006-10-20 00:00 | ときどきの本。

読書メモ 2006.6〜9月。

☆6月
『太陽の塔』森見登美彦(新潮文庫)
岡本太郎氏の「太陽の塔」はこの本によって「宇宙遺産」に指定されました。ぱちぱち。失恋した自意識過剰京大生の妄想が爆走しまくり。クリスマスイブの京都でなぜか「ええじゃないか」の嵐。いちいち爆笑。第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞。

☆7月はダンスを作ってたので1冊も本を読めず。

☆8月
『アンネ・フランクの記憶』小川洋子(角川文庫)
以前図書館で借りて読んだことがあったが、文庫で出てたのを買って再読。アムステルダムからフランクフルト、アウシュヴィッツまでアンネ・フランクゆかりの場所を巡る旅。そこにかつていたひと、もうそこにはいないひとをたずねる旅。

『日々ごはん』<2巻><3巻> 高山なおみ(アノニマスタジオ)
やたらよく寝ているという印象ばかりが残っている。寝ても寝てもいくらでも寝れてしまうというのはすごくよくわかる。

☆9月
『ぶらんこ乗り』いしいしんじ(新潮文庫)
初読。どんなに遠くへ遠くへ行ってしまってもぶらんこはまた戻ってくる。今ここにいないひとのことをそんなふうに思うこともできると、この本を読んで思った。


『グロテスク』上・下  桐野夏生(文春文庫)
出た当初、話題になった頃は読む気しなかったけど、文庫になったので読んでみました(結構こういうきっかけで読むことは多いです。最近は文庫になるのも早いというのもあるけれど)。んー、著者の自己満足を見せつけられただけという感が強かったなー。こういう現実を模したタイプの小説にもうあんまり興味がないだけの話なのかもしれないが。サバイバルと自己破壊。相反するものが内包されている。

『31歳ガン漂流』  奥山貴宏(ポプラ社)
友だちのブログで見て気になってたので読んでみました。ガンになっても著者はライターであり続ける。というより、ガン闘病も日常のうち、というスタンスで書かれている。
読みながら、ガンに罹り一切の化学療法を拒んだまま亡くなった、昔の知人のことを思い出しました。

『光車よ、まわれ!』 天沢退二郎(ブッキング)
日本のファンタジーの名著と言われるものを今頃読んでみました。雨上がりの水たまりに映る空を見ていると確かにまなざしの気配を感じて引き込まれそうになります。雨や川、水路、洪水など水が主要なモチーフになっていて、わたしにとってはなかなかツボでした。ありがちなハッピーエンドとか大団円とかいうのでなく、欠損したまま終わるという終わり方がなんかすごかった。

『ゲド戦記』<影との戦い><こわれた腕環> アーシュラ・K・ル・グイン(岩波書店)
世界のファンタジーの名著と言われるものを今頃読んでみました。さすが王道を行ってます。村上春樹ってこの構造を踏襲しているのでは?と思ってしまった。

『整体入門』野口晴哉(ちくま文庫)
前半はともかく、後半は拾い読み状態。ま、そのうちまた読むでしょう。
風邪は病気ではなく、それによって体の歪みを正そうとしている、という記述に「おお!」と感銘。
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by kuukazoo | 2006-10-10 01:03 | ときどきの本。

猫よけのペットボトルの輪郭でたたずむ水に映るいちにち あるいは岩崎一恵のダンスって何?な今日この頃。写真:松本和幸
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